なぜ暇そうな会社員が生き延びていけるのか? 営業マンが知っておくべき「2:6:2の法則」と「パレートの法則」
職場には、常に忙しそうに働いている社員がいる一方で、なぜか暇そうにしているにもかかわらず、特に問題なく会社に居続ける社員も存在します。
「なぜあの人はあまり仕事をしていないのに、ずっと会社にいられるのか?」と疑問に思ったことがある人も多いでしょう。
実は、こうした状況は組織の構造と働き方のルールによって生じています。その背景には、「2:6:2の法則」や「パレートの法則」が深く関係しています。
1. 「2:6:2の法則」とは?
「2:6:2の法則」は、組織の中での人材の働き方を示す法則の一つです。これは以下のように分類されます。
上位2割の社員:成果を大きく出し、会社の成長を牽引する人たち
中間6割の社員:特に目立った成果はないが、普通に業務をこなす人たち
下位2割の社員:ほとんど成果を出さず、会社に対する貢献度が低い人たち
この法則によれば、どんな職場にも成果を出す「エース社員」と、平均的な働きをする「普通の社員」、そして「ほぼ仕事をしない社員」が一定割合で存在することになります。ここで注目すべきは、「下位2割」に属する暇そうな社員が、意外にも会社に長く居続けることがある点です。
2. 暇そうな社員が生き残る理由
「2:6:2の法則」によると、組織には必ず「ほとんど働いていないように見える人」が一定数存在します。
しかし、彼らがすぐに解雇されるわけではありません。なぜなら、組織は安定を重視し、急激な人員削減を好まないからです。
具体的に、暇そうな社員が生き延びる理由には以下のようなものがあります。
実は暇そうな社員は苦しんでいる!放置プレイはやめて!暇つぶしがもうない!
やる気のある社員も仕事を任せてもらえなければ、モチベーションは下がります。
もっと仕事がしたいという社員や期待がほしいという社員は大勢います。
① クビにするコストが高い
労働法の制約があるため、日本の企業では正社員を簡単に解雇できません。業務の成果が出ていなくても、勤務態度に大きな問題がない限り、「雇い続けるほうが楽」だと判断されることが多いのです。
② 評価基準があいまいな職場では「普通」に見える
暇そうにしている社員も、最低限の業務はこなしていることが多く、「明確に問題がある」とは判断されにくいことがあります。評価基準が曖昧な企業ほど、このような社員が長く残りやすくなります。
③ コミュニケーション力が高い
意外かもしれませんが、暇そうな社員の中には「上司や同僚との関係構築がうまい人」も多くいます。特別なスキルや実績がなくても、周囲との関係性を維持できると、解雇されにくくなるのです。
④ 社内の「調整役」として機能している
忙しく働く人がいる一方で、社内には「調整役」として動く人もいます。彼らは積極的に成果を出すことはないものの、人間関係を円滑にする役割を果たしているため、組織に必要とされることがあります。
3. パレートの法則とは?
「パレートの法則」とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した「80:20の法則」です。
これは、「全体の結果の80%は、20%の要因によって生み出される」という考え方です。ビジネスの世界では、次のように応用されます。
会社の売上の80%は、20%のトップ営業マンが生み出している
顧客全体の20%が、売上の80%を占めている
業務の成果の80%は、20%の社員によって生み出されている
この法則を営業の観点で見てみると、「本当に成果を出しているのは一部のトップ営業マンであり、それ以外の社員はそこまで大きな影響を与えていない」ということになります。つまり、「暇そうに見える社員がいても、組織全体のパフォーマンスにはさほど影響がないため、放置されることが多い」のです。
4. 営業マンが知っておくべき「2:6:2の法則」と「パレートの法則」
営業マンとして働くうえで、この2つの法則を理解しておくことは非常に重要です。
① 「2:6:2の法則」を活用する
営業チームの中で、「どのポジションにいるのか」を冷静に分析することが大切です。
上位2割のエース営業マンを目指すためには、成果を出し続ける努力が必要
中間6割の平均的な営業マンにとどまると、成果が伸び悩む可能性がある
下位2割の営業マンにならないために、最低限の努力と成長を意識する
「自分はどの層にいるのか?」を常に考え、適切なアクションを取ることで、組織内での立ち位置を有利に保つことができます。
② 「パレートの法則」を活用する
営業マンは、自分の時間とエネルギーをどこに集中させるべきかを考える必要があります。
売上の80%を生み出す「20%の顧客」に注力する
→ すべての顧客に均等に対応するのではなく、売上に貢献する顧客を優先する効果の高い営業手法にリソースを集中する
→ 「成果につながる活動」に時間を使い、無駄な業務を減らす
つまり、「重要な仕事に集中することで、少ない労力で大きな成果を得られる」ようになるのです。
5. まとめ:暇そうな会社員に引っ張られず、自分の成果を最大化する
暇そうにしている会社員が一定数存在するのは、「2:6:2の法則」と「パレートの法則」によって説明できます。彼らは組織の構造上、一定の割合で存在し続けるため、気にしすぎても意味がありません。
重要なのは、「自分がどの層にいるのかを正しく把握し、上位2割に入る努力をすること」です。また、「自分の時間と労力を本当に成果につながる部分に集中させる」ことが、営業マンとして成功するカギになります。
暇そうにしている人を見て焦るのではなく、冷静に法則を理解し、自分のキャリアを戦略的に考えることが重要です。