- 1. 上司の「なにかあったら言って」は言われても言えません──部下が本音を隠す理由と信頼関係の築き方
- 2. はじめに:それ、本当に“言える空気”ですか?
- 3. 1. 「何かあったら言って」が意味を持たない3つの理由
- 4. 2. 上司に「遠慮」してしまう部下の心理
- 5. 3. 「言える雰囲気がない職場」の共通点とは?
- 6. 4. 上司の“圧力のないつもり”が圧力になっている
- 7. 5. 「言わない部下が悪い」ではなく「言えない構造が悪い」
- 8. 6. 「報告・連絡・相談」は上司から教えられるもの
- 9. 7. 「相談されやすい上司」は何が違うのか?
- 10. 8. Z世代・ゆとり世代にとって“話しやすさ”は評価基準
- 11. 9. 部下に「言ってほしいなら、まず聞いてみる」
- 12. 10. 本音が言える職場は、離職率が下がる
- 13. まとめ:その一言に、ちゃんと“居場所”はありますか?
上司の「なにかあったら言って」は言われても言えません──部下が本音を隠す理由と信頼関係の築き方
はじめに:それ、本当に“言える空気”ですか?
「困ったことがあったら、なんでも言ってね」
そう言われても、実際に「言ったことがある」という人はどれほどいるでしょうか。
職場の上司から投げかけられるこの“優しい言葉”に、実は多くの部下がプレッシャーや諦めを感じています。
なぜ「言えない」のか? どうしたら本当に“話せる上司”になれるのか? 本記事では、部下のホンネと職場における信頼構築のヒントをお届けします。
1. 「何かあったら言って」が意味を持たない3つの理由
「言って」と言われても、実際には「言えない」と感じる部下が多いのが現実です。
理由は大きく3つあります。
言っても解決しなかった経験がある
本気で聞いてくれると思っていない
「言ったことで評価が下がるのでは」と不安になる
表面上は“優しい言葉”ですが、その裏に信頼の蓄積がなければ、ただの形式的なセリフになってしまいます。
2. 上司に「遠慮」してしまう部下の心理
部下が上司に何かを言うときには、必ず「損得」や「立場」を計算しています。
「これを言ったら空気が悪くなるかも」「評価が下がるかもしれない」など、人間関係や職場の空気が“本音を止めるフィルター”になっているのです。
特に若手や新人は、「空気を読め」「自分で考えろ」という文化の中で育っているため、“相談=甘え”と捉える傾向すらあります。
3. 「言える雰囲気がない職場」の共通点とは?
実は「言いやすい職場」には共通点があります。
上司が日頃から感情表現している
小さな相談でもしっかり向き合っている
雑談が多く、業務外の会話も自然にできる
誰かの失敗に対して“責任追及”よりも“原因追及”をする
逆に、「言えない職場」では、沈黙が支配し、上司の顔色ばかりうかがう文化が定着しています。
4. 上司の“圧力のないつもり”が圧力になっている
「なんでも言ってくれていいからね」
この一言すら、受け取る側によってはプレッシャーになります。
なぜなら、立場や年齢の差、上下関係がある以上、上司の「優しさ」には常に“権力”がにじむからです。
大切なのは「言っていい空気をつくること」であり、言葉だけでなく態度や日常の接し方がモノを言います。
5. 「言わない部下が悪い」ではなく「言えない構造が悪い」
「いや、こっちはちゃんと聞く姿勢を見せてる」
そう思っている上司も多いかもしれません。
ですが、“聞く気がある”と“聞いてもらえる雰囲気がある”は全く別物です。
部下が黙っているからといって、必ずしも無関心なわけではありません。
“言えない空気”が、組織に染みついてしまっているだけなのです。
6. 「報告・連絡・相談」は上司から教えられるもの
報・連・相を「自発的にできる子は優秀」と思っていませんか?
実は、報連相が自然にできるようになるには、教え方と仕組みづくりが必要です。
たとえば、「朝イチで5分だけ相談時間を設ける」「LINEやSlackで“何でも箱”を作る」など、言いやすさを設計するのもマネジメントの仕事です。
7. 「相談されやすい上司」は何が違うのか?
相談されやすい上司の特徴は、意外にも「話を聞く姿勢」だけではありません。
自分からも弱音を見せている
プライベートや雑談も混ぜながら話している
相談を受けたあと“必ずリアクションがある”
普段から小さな成功や努力を認めている
相談されるには、「相談してよかった」と思わせる体験を積み重ねることが必要です。
8. Z世代・ゆとり世代にとって“話しやすさ”は評価基準
若手社員にとって、上司の評価ポイントは「仕事ができるか」よりも**「話しかけやすいか」「反応が怖くないか」**であることが多いです。
特にZ世代は、心理的安全性を重視します。
ガツガツ詰められるより、寄り添ってもらえることでパフォーマンスが上がるという傾向が強くなっています。
9. 部下に「言ってほしいなら、まず聞いてみる」
「言って」と言うよりも、まずは「最近どう?」「困ってることある?」とこちらから聞くほうが、よっぽど効果があります。
「何かあったら言ってね」ではなく、
「何かある前に聞かせてね」くらいのスタンスが、今の時代にはちょうどいいのです。
10. 本音が言える職場は、離職率が下がる
「本音が言える職場」「ちゃんと相談に乗ってくれる上司」
この2つが揃うと、若手社員の定着率は大きく上がるというデータがあります。
逆に、「結局なにも言えないまま辞めた」という声も多く、早期離職の大きな原因は“コミュニケーション不全”です。
上司が「言える空気」をつくることは、人材流出を防ぐ最もシンプルで強力な手段なのです。
まとめ:その一言に、ちゃんと“居場所”はありますか?
「なにかあったら言って」
その一言に、あなた自身の“覚悟”はありますか?
言葉だけで部下は動きません。
でも、言葉の裏にある「聴く姿勢」や「日々の態度」に信頼があれば、必ず部下は一歩を踏み出してくれます。
“言ってほしい上司”から、“言いたくなる上司”へ。
その小さな違いが、職場を大きく変えていきます。
