『孫子兵法』は、経営者や成功者にとって重要な指針とされています。
この古代中国の兵法書がなぜ経営者に選ばれるのか、そしてなかなか読み切れなかったり、心を動かされなかった人にもう一度読み直してほしい部分に焦点を当てて紹介します。
私自身、営業マン時代から孫子兵法は何度か読み直す機会があり、その都度気付かされるものが異なることに驚いた本の一冊で、今も本棚にある一冊です。
『孫子兵法』は営業マン向けの本なのか
まず、孫子兵法は古代中国の軍事書であり、戦略や戦術に関する古典的な兵法書です。
孫子兵法は、戦術や兵法だけでなく、軍の組織、リーダーシップ、情報収集、運用計画などにも及んでおり、現代まで経営やビジネス、政治などの異なる分野でも応用されています。
営業マン時代に『孫子兵法』で学んだこと
- 「知己知彼、百戦不殆」 – 自分と敵を深く理解し、百戦しても危険に陥らないようにする
- 「兵者、詭道也」 – 戦術や策略を巧みに使いこなすことが求められる
- 「兵不厭詐」 – 戦場では相手を欺く策略を厭わないことが必要
- 「速戦速決」 – 戦争においては速く行動し、速く決着をつけることが重要
- 「勝は不戦而戦者の勝なり」 – 戦わずして相手を打ち負かすことが真の勝利
この5つの学びが意外にも営業マン時代の私には気づきとなり、キャリアや人間関係、スキルアップに直結していきました。
『孫子兵法』で学ぶべき営業マンのポイント
成功し続けたいなら『継続せよ』
孫子兵法では忍耐という主軸が欠かせないということがよく出てきます。
営業マンもすぐに種まきをして刈取れる案件にはできないように、『忍耐』という我慢が必要になります。
そして、「種まきしておいたから寝て待てるか。」というと動き続け、種を蒔き続けるだけでなく水撒きや肥料を与えるように『調子伺い』やアプローチが必要になります。
もちろん、運良く刈り取れた契約も刈り取った時点で、何もなくなってしまいます。
つまり、刈り取る頃には次の苗は収穫を迎える寸前でなければならないのです。
忍耐は短期的な利益を追求には向きませんが、長期的な視野ではレバレッジが効いて大きな結果になっていきます。
営業マンは『孫子兵法』以外にも格言は知っておくべき
孫子兵法の格言は戦争や戦略に限らず、ビジネスや人間関係など様々な場面に応用できます。
相手を理解し、複雑な戦術を考え実行に移すため、幾度となく使い分け自身の成功経験へ導きます
そのため孫子兵法だけでなくあらゆる歴史上の人物や現存する著名人の格言は知っておくべきでしょう。
孫子兵法は営業マンにとって自分の営業戦略を考えるヒントになる
孫子兵法は経営者や成功者に対して戦略的思考を学ぶ機会を与えますが、営業マンも同じことが言えます。
ニーズのあるところにモノや情報を売るのはもはや営業マンでなく販売員で事が済みます。
そうではなく、ニーズを引き出し、実は必要としている市場や、利用する価値を引き出すアプローチを行い、競合他社の営業マンが手をつけないところで顧客を開拓するには経営者と同じ観点で物事を考える必要があるためです。
さらに、部下の営業戦略やリーダーシップをとって組織運営をする場合にも孫子兵法は参考になります。
そのため何度と孫子兵法を人生で読みなす機会が訪れるはずです。
営業マンの喧嘩の仕方を孫子兵法で学ぶ
営業マンの勝負
競合他社や同僚の営業マンというライバル、刺客との競争はある意味の『喧嘩』であり、孫子兵法でいう戦争です
つまり、この営業マンの戦争の仕方は自分の手の内を明かすことになるため自分を含め他の営業マンは教えてくれません。
営業マンが競争の仕方を知らないと勝てない喧嘩や冷戦を続け、『契約』という勝利を勝ち取ることができないのです。
営業マンの中には競争しなければならない状況になった時に道具(お金や人員・設備)などがライバルに劣っていることを言い訳にすることがあります。
ディーラーの営業マンなどは
「フルモデルチェンジが半年後に控えている」
「相手は100万円以上値引きできる」
「ショールームをリニューアルしたばかり」
「在庫車が少ない」
などにばかり気を取られていることが多く、『自分という営業マンから買う』という付加価値を何一つ付け加えられていないことが多いのです。
適切に対処すれば勝算があることに気づき、喧嘩の状況を正確に把握することで勝利を収めないと営業マンは言い訳をするのが仕事になってしまいます。
孫子兵法には、競争の基本原則や戦略的アプローチに関する洞察が含まれています。
歴史に苦手意識があっても読める孫子兵法
『孫子兵法』は伝統と歴史を学ぶべきだと教えられる一冊です。
確かに経営者の多くは歴史関連の本を趣味で読んでいる人も多く、歴史に学ぶことは多くあることに気付かされます。
人間が誕生して、あらゆることが起こり今に至りますが、物事や経済はサイクルがあり、循環します。
トレンドも同じく、ワイドなデニムが流行ればタイトなデニムが流行り、またワイドに戻るというサイクルは他のことにも共通し、みなさんもお気づきになるはずです。
つまり『成功』や『実績』を挙げるには自らの戦略決定において伝統と歴史を理解することが欠かせないということになります。
ただ毎日出勤し、定時まで働く営業マンと、この営業マンとしての根底の知識を持つ人材は数年、数十年で比較できないほどの差になるのは間違いありません。