嫌われ、売れないクビ寸前の中年営業マンの存在

嫌われ、売れないクビ寸前の中年営業マンの存在

中年の営業マンは扱いが悪く、売れないのか

バブルが弾け、リーマンショックを跨ぎ公園のベンチで鳩に餌をやる風景や、缶コーヒを置いて昼寝する営業マンが過去の不景気には多くいました。

通常、年功序列のため営業マンという仕事は年々給料や年収、待遇や社会的地位が上がっていくものです。

しかし、なぜか現場で中年と言われる世代が不人気です。

そんな不人気世代の中年営業マンでも活躍している人と、活躍どころか席すら確保するのがギリギリの状態の営業マンに分かれるのかをお話していきます。

中年営業マンが籍を置く営業所へのコンサル業務

*中年営業マンが籍を置く営業所へ抜本的な改革案を示して欲しいと依頼された時のことも交えてお話ししていきます。

そもそも中年とは何歳なのか

中年というのはこの記事では40歳から50代後半を表します。

オヤジ世代の営業マン『中年』はコネ重視

中年層に当てはまる営業マンで既にパソコンができない人材がいるというのがなんとも驚きです。

エクセルやワードどころか名刺にメールアドレスすら書かれていない営業マンの名刺も実は多く存在します。

特に地方が本社の中小企業は、コネ入社の中年営業マンが多く、ほとんどが人脈という名の『コネ』がどれだけまわせるかで採用判断がされます。

40代後半で活躍する敏腕営業マン

40代後半と言えば、営業マンにとっては大厄が過ぎ営業から管理職への階段を進むか現場に残るか、というキャリアの分岐点です。

その中で、顧客を0名から引継ぎなしで築き上げ、体力がないという理由で新人に顧客を紹介しながら営業所を盛り上げる営業マンもいました。

30代で転職入社した彼は、「そもそも顧客は会社の財産であって私物ではない」と言い顧客を上手に営業所内で対応する仕組みを作っていました。

その営業マンの上の管理職も、その営業マンから情報を吸い上げて落とし込みを行うためキーマンとなっていました。

30代で転職して年収は約2倍になり40代で活躍する自分の立ち位置を確立した営業マンもいます。

40代前半の中途採用営業マンから役員になった成り上がり営業マン

このサクセスストーリーも驚きで、インタビューを3日に分けてさせてもらったのですが、彼は元々家業を20代で継ぎ年商2億円の中小企業の経営者でした。

その彼はリーマンショックの波を受け、会社は倒産・自己破産を行い持ち家などを全て無くし家族とは離れ1年間無職で鬱状態だったと言います。

その中での転機は私が調査することになった会社の社長と縁でした。

営業経験はないが、一から出直すつもりだから入社させて欲しい、と懇願し朝5時に出社し送迎車の洗車、会社の掃除、外回りの掃き掃除まで行い、年下の営業マンに顎で使わても文句すら言わなかったそうです

経営者としてのプライドや経験・知識などを振りかざすことなく、悩める営業マンの相談を聞き、板挟みになる女性社員や年下の管理職の愚痴聞きまでをこなしたそうです。

朝礼にも参加しない成り上がり営業マン

調査日、彼の姿は朝礼の時ありませんでした。

その理由は、「誰も朝会社の受付にいないのは良くない」と。

その代わり、誰よりも数字の把握もしており、自分の予算に対しても言い訳なく達成に向けて行動します。

彼は前職での縁は一切途切れ、迷惑をかけたという理由で過去の仕事での友人や取引先に営業をかけることは一度も今までなかったそうです。

しかし、毎朝掃除をして親切に話をする対応にいつしか『営業所にいなければならない存在』になったのです。

修理の仕方をエンジニアに聞いて教わり、休日には部署の違う新人を食事に連れていくなど誰よりも会社へ尽くしたように感じました。

管理職、栄転を全て断る成り上がり営業マン

入社して4年、同じ営業所で出世もせずにいるのは、全てのオファーを断っているからだと、管理職から聞きました。

本人曰く、自分にはこのポジションが合っていて、誰よりもこの地位に満足している。と。

管理職や若手営業マンに負けない売り上げを持っても謙虚な40代

スーツの着こなしもシンプルで、経営者時代には劣っても人より良い暮らしができる今でもコンパクトカーで出勤し、いつもにこやか。

「私にはわからないけどね」というのを口癖に営業マンの悩みに的を得た答えで解決し、まるで昭和のお父さんを見ているようでした。

年収や給料の話になっても、驚く意見が聞けました。

「この営業所で彼より貰っている人は多い。だけど、彼はその昇進などを断っているから誰も年収自慢もしないし、社内の権限に差があるだけで彼がいないと不都合が多いことを皆が気づいている」

こんな会社が日本にもあるのだと感激しました。

AIやカリスマ営業マンもライバルにはならない40代という武器

今では営業や販売職のほとんどがAIに仕事を取られるのではないか、と言われているなかで、40代で会社の破産・自己破産した経験と謙虚さ、地道で人望がある営業マンは、どれだけカリスマ営業マンが同所に現れても、生き残れることを確信しました。

非効率な50代後半の営業マン

スーツはタバコ臭く白髪混じりの髪の毛は手入れもされておらず、靴はスリッポンタイプの革靴、カバンはセカンドバックで通勤し、基本的には朝に出社し接待や情報交換という名の飲み会に参加し直帰します。

多くの場合は、顧客管理=飲みの席、新規の商談=ペン舐め(値引き)という経費がかかり、粗利益の少ない契約を取るという、非効率的な営業でした。

毎月30万円ほどの経費を1人で抱え、支社の粗利益をさらに圧迫しており営業から総務への異動となりました。

プライドの高い50代後半の営業マン

50代で困った営業マンは、新しい取組みや個人へのタスクを一切無視する営業マンです。

「俺には俺のやり方がある」

「俺にしかこの客は契約が取れない」

「新しければ良いわけじゃない」

「若い奴が何を言いやがる」

最終的にはクビにできるものならしてみろ、と恫喝に近いことを言い会社を出ていく営業マン。

この営業マンはレポート報告後、事実調査が社内でも行われ契約終了となり本当にクビになりました。

40代でも年収も人望もある営業マンのなり方

若ぶらず張り合わない余裕が勝利を呼ぶ

40代〜50代の方は、メンタルや体力的がかなりあります。

腰が膝が痛い、酒が残るなどという愚痴を言いながら、学生時代には水も飲まして貰わず長距離走を走った時代です。(私もそうでしたが)

ところが、オフィシャルの場でカッコつけるのが最大のネックです。

経験や現職の経験上アピールすることへの恥じらいや、自分のことを上手にブランディングできていないのは残念なポイントだと言えます。

即戦力の40代〜中年層

接待などの酒の席、ハラスメント文化・コンプラ時代に突入する前のビジネスを知っている方は甘えが少ないのは事実です。

靴底を減らして営業する時代を生き抜き、サボり方を覚え過ぎたビジネスマンとしてのメンタルが強く現場で重宝される最高の年齢層です。

営業マンは『マジメ』だけが求められているわけではない

人間として20代や30代よりもトラブルや悩み、衝突をしているはずです。

人生経験が豊富な方が、顧客が何を求めるか読み取る力もあります。

しかし、『偉そう』なのは今も昔も人望が遠のき、今では20代の中卒でも年収1億円を超える若者がいます。

自分という人間、営業マンを謙虚に持ち、カッコつけない生き方こそ一流の中年営業マンだと言えるでしょう。

 

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