クロージング 応酬話法【基本編】
商談やお客さんとの会話で『応酬話法』という会話方法があります。
あまり型にこだわると個性がなくなり、会話のキャラクターが失われるので注意しながら取り入れたい話法です。
逆に多くのお客さんへ一定の情報を伝える術、メッセージ性を強める一つのスクリプト(台本)として便利です。
営業マンの応酬話法とは?
簡単に言えば『予め返答を準備しておく』会話術・話法のことです。
もっと日常のシーンで言えば「言うと思った!」ということをもう少し前から予測して、言われたらこう言おうと考えることです。
応酬話法を身近で練習する
例えば、奥さんに新しいゴルフクラブを買う許可が欲しい。
あるいは、「友達と飲みに行きたい」という時に奥さんにどう説得するか
というのが練習です。
- 許可=契約
- 説得=クロージング
くらいに考えれば良いと思います。
敏腕営業マンの応酬話法と準備
まず、
- 「持ってるでしょ」
- 「高いでしょ」
- 「いらないって」
と簡単に言われそうなことが出てきます。
お客さんであれば、
- 「あるからいらないよ」
- 「高いんだろ?」
- 「間に合っている」
という感じでしょう。
『YES・BUT話法』で応酬話法を構成する
「持っているよ、だけど今持っているクラブどうやら自分にシャフトがあっていないようなんだ!」
と何かしら理由を考えるはずです。
お客さんにも「素敵なものをお持ちです、しかしこれがあればさらに今のお持ちの物が引き立つとおもいます」
と言えば、次のステップです。
奥さんということは変わらず「高いでしょ?」という値段の話です。
この応酬話法は基本であり、『普通』契約がバンバン取れ、奥さんもニコニコさせられるかは疑い深いところです。
『YES・BUT話法』を応酬話法で捨てる
クロージングの応酬話法というのは、ほとんどの新人研修などで教えています。
しかし、応酬話法を学んで売れる営業マンをどんどん輩出したでしょうか。
それならば、もっと皆さんの年収も待遇も良くなるはずです。
なぜ応酬話法に『YES・BUT話法』を会社は入れたがるのか
私たちが目指しているラインと会社の期待するラインが違うからです。
簡単に言えば、売りたい側のトレーナーは引き下がるな、頷いて切り返せという『YES・BUT話法』を推奨します。
つまり、見込み客を作るため、商談を土台に乗せるための会話なのです。
これが売れる会話かどうかは別問題と考えて良いのです。
保険会社やトレアポ系企業のスクリプト『YES・BUT話法』
「確かおっしゃる通りですね、しかし…」
「そうだと思います、でも…」
この応酬話法は実際に、多くの企業の営業スクリプト(台本)の『YES・BUT話法』の部分です。
子供や後輩・部下に『しかし・・・』『でも〜』と言われて良い気持ちがするでしょうか?
むしろ言わないほうがマシな気もします。
応酬話法で使える言葉『例えば』『仮にも』『もしも』
「例えば・・・ゴルフクラブを買った分何か欲しいものをプレゼントする」と言ったらどうでしょうか?
「仮に契約するとなれば・・・どこが不満ですか?」と聞けば前述の例題で真相に迫る会話ができると思いませんか?
「今十分に間に合っているとお聞きしておりますが、もしも弊社の商品をご検討いただくとすればどの辺が・・・」と言うと本音が話やすくなりそうです。
買わないけど、買うイメージ=話し手の求めるゴール地点
に設定することができます。
値段なのか、デザインや商品性なのか?あるいは自分という営業が嫌いなのか?
いろいろとこの切り返しで知ることができます。
応酬話法に詰まらない上達のコツとは?
応酬話法を上手に使えるようになるコツは、相手との距離感はそのままにしてあそびを持たせ、イメージだけ引きつけることです。
握手求めるより、握手している姿をイメージさせたほうが、握手には効果が高まるでしょう。
握手した時の強さ・体温なども全てイメージだからです。
逆に握手を断られる理由は何かもわかるはずです。
相手が想像して、自分と握手するのは「不潔だな・・・」と思っているのか「心底嫌い」「慣れ慣れしい」
そこで、YES・BUT話法を使うと「嫌味で卑屈ないイメージにしかなりません。」
『そうですよね、僕なんかと握手なんてしないですよね』
そうです。そんな営業マンとは契約しない。となるのです。
スクリプト系の応酬話法の評判が良くないのは、どこかで聞いたことがあるような言い回しばかりするからです。
だからこそ、どこかで聞いたぞ?と思われると警戒されます。
あくまでも会話上で生まれた受け答えとして、
応酬話法が出るように日々返答を考えてみると案外すぐに使いこなせるようになるはずです。