見積もりが遅い営業マンは売れない事実
『売れる営業マン』との差
売れる営業マンと売れない営業マンの差は、数字に強いかどうか、トーク力が優れているか、の前に見積もりが見やすいかどうか
或いは、見積もりを作るのが非常に遅いかという問題にあるということを今日は問題定義していこうと思います。
営業マンがよく言われる『見積もりだけ出して』
皆さんは「見積もりだけ送っといて」と言われたことはありませんか?
この見積もりだけ出してほしいという言葉を受け取った瞬間に、自分は今営業マンとしてどうにか踏ん張らないといけない時期だと思っていただきたいです。
売れない営業マンの見積もりとは?
遅い・高い・分かりにくい見積もり
この3つが揃っている見積もりが、売れない営業マンが持ってくる見積もり書です。
ここにもう一つ付け足されるとすれば読み手に『価値がない』という部分かもしれません。
遅い・高い(値段)・分かりにくい・価値がない
この4つの条件が揃えば、さすがに見積もり書を説明する時間はもらえそうもありません。
価値ある見積り書とは
価値がある見積もりだと思っているのは売れない営業マンが思っている先入観であり、読み手受け取り手からすると価値がないものです。
読み手・受取手・お客さんからすれば価値のある見積書とは何なのか、一言で言えますでしょうか?
営業マンの見積もりの意味
見積り書を見て最初に目に付くのは『いくら』か
そんな当たり前のことを・・・と言いながら自分が渡す見積書は果たして全てのみる人に総額がすぐわかるでしょうか?
ちゃんとマークをして、『あなたはこの金額で買えますよ、この値段ですよ!』と示しているでしょうか。
車屋さんでクルマを買う時、車体本体価格・税抜き・オプション込みなどたくさん欄があると思います。
つまりは『いくらなのか』一目でわかる見積もり書でないと見積にならないのです。
売れない営業マンは、売れない見積もりを見せる
売れない営業マンは、大きく値引きのできるもので見積もりを作るか、新作・新型商品で作る傾向があります。
受け取り側からすれば、いつもこれだけ何だかんだと引けるのではないか?と思いながら見積書は見ますし、新作・新型ならば値引きしてもらえないだろうと諦めならがら見ます。
売れない営業マンは買うお客さんを逃す
大きく値引きができるものや、新しい商品の見積もりを作るということは、読み手を絞り込まずに作っているということになります。
上司に言われて1日10枚取引先や顧客に配ってこいと言われる見積書に価値などないことはお客さんは勘付きます。
商品を買いたい・欲しているお客さんは自分に合ったものを勧くて、数字の表がほしいわけではないのです。
売れない営業マンが逃したお客さんを売れる営業マンが救う
売れない営業マンがほしいかわからない見積もり書を持ってきて、その後連絡がない、そんな時に売れる営業マンを紹介された時、売れる営業マンは一言いうはずです。
「必要なものが決まっていないのに見積もりなんて早いですよ!」と。
売れる営業マンは見積もりをすぐ出さない
売れる営業マンは、簡単に見積もりを出しません。
金額より、相手が一番ほしいと思うもの、あるいは買って満足するものを提案するのです。
ほしいと思ってもらうのと同時に、自分との関係性を先の構築していきます。
トップセールスが作る見積書は見やすく分かりやすい
『価値ある見積書』は強く伝えたいところを絞る
見て欲しい部分には予めマーカーや色を変えておくことをして、『ここぞ』の数字などは手書きで余白に商談をしながら書き込みます。
お客さんは、話を聞くとき真剣になればなるほど、集中して動くものに目を奪われる傾向があります。
そこで完成している見積書ではなく、商談しながら数字を書き込んでいくとドンドンオリジナルの提案をされているような気になってくるのです。
『価値ある見積書』ほど短所がある
売れない営業マンの見積書は自分に都合の悪いことや、お客さんの得にならないことを隠す見積もりを作ります。
嘘だと思えば、約款をしっかり説明しているか胸に手を当ててみてほしいのです。
保険業や不動産業は重要事項説明が厳しいので大丈夫かもしれませんが、保険業で言えば満期前に解約すれば『大損する』、積み立てはできるけど、保険料のうち20%しか毎月積みたてされていません、
など声に出して短所を説明しているかというと下を向きたくなるはずです。
売れる営業マンほど短所の説明が潔い
先にデメリットを伝えておくという、他の営業マンがしないことをするというのは、非常に効果的です。
こんな短所を潔く言えば売れないだろう。と思うかもしれませんが『逆です』
お客さんや顧客は商談後、契約後に気付く『損』は1円もしたくありません。
しかし、契約前に予め説明してもらうと、『損に納得』するのです。
売れる営業マンは手際が良い
売れる営業マンの見積もりは、書き込む用と改めて読み直したり、家族や上司との打ち合わせ用に新しい見積もりを予め用意している方もいます。
法人への商談であれば、同席する人数が急に増えることもあり、不足の場合はお客さん側がコピーを取る必要があるため、それだけで商談の時間をロスしてしまいます。
売れる営業マンも売れない営業マンも同じような見積もり書なのにも関わらず、たったこれだけの小さな心遣いや予測が大きな結果の差となりえるのです。
売れない営業マンほど値引きの提案が早い
売れない営業マンは見積もりを出せば『値段交渉』に早々もっていきます。
これは売れる営業マンとの大きな差です。
どれだけ良い商品であっても欲しくないものを安くされては、買う気になりません。
売れる営業マンは最後の最後まで値段交渉はせず、『欲しくさせる』ために商談の時間を使います。
『見にくい見積もり』は売れない
売れる営業マンの見積もりはお客さんに伝える数字に、ほとんど半端な数字がありません。
販売価格6,350.000円
売れない営業マンは値引き後6,134.650円
売れる営業マンは値引き後620万円
こう比べて見ると、半端な数字が多いですが値引き額は売れない営業マンの方が多いです。
しかし、買い手からすれば振り込みする際に確認するのも面倒ですし、「端数値引きして」という必要もなく、キリが良いため「これで決めます」と言いやすくなるのです。
数字に強い営業マンの『数字戦略』
40%割引して、今日ご成約頂ければ更に25%のオプションサービスつけます。
シャルパンティエ効果を利用した場合、耳から入る数字は40%+25%なので65%の値引きと錯覚して安く感じます。
更に25%引くのは40%引かれたあとの金額になるので55%ですが、10%も安く表現することができます。
シャルパンティエ効果とは
大きさや重さの錯覚で、大きなものの方が重く、小さなもののほうが軽いという錯覚効果を現す心理学用語です。
シャルパンティエ効果を使う金額の見せ方
490万円+登録諸費用
税込500万
この2つの金額提示で、値段の面だけで言えば話を聞いてもらいやすい率が高いのは前者です。
500万円代と400万円代の差は大きいのです。
見せ方次第で『見積もりの価値』が変わってくるのです。
売れる営業マンの値引きは使い方が違う
売れる営業マンが値引きをする際は『お買い得』感よりも『買いやすさ』を重視する端数調整に使われます。
同じだけの値引き枠があったとしても、売れない営業マンと売れる営業マンは思考が違います。
「値引きすれば買う」という見込み客ほど、あてにならず粗利は少ないのに値引きできない商品を購入したお客さんと同じだけのアフターフォローがあるのは不平等だと考えるのです。
売れる営業マンほど値段交渉は少ない
売れている=年収が高いには残念ながらなりません。
粗利益をしっかり残して、お客さんにも満足してもらわないと売れる営業マンにはなれません。
薄利多売をすればするほど、この先の自分の営業マンとしての戦略や選択肢が減っていくということに気づかなければならないのです。
一度値引きをしたお客さんは次も必ず値引きをしないといけません。
高く買っても「担当営業マンになってもらいたい」
このご時世、商品や情報は溢れています。
その中で「この営業マンから買わないといけない」という理由はないのです。
唯一あるとすれば『安心と信頼』です。
つまり今の市場では『担当営業マン』という付加価値だけが、営業マンに与えられた武器だと言えるのです。
見積り提案は1商談2提案まで
売れない営業マンと売れる営業マンの見積もりは『早さ・遅さ』も関係しますが、見積もりとお客さんと営業マンという時間の長さも売れない営業マンは長くて『商談時間が長い・決まるまで遅い』傾向があります。
売れる営業マンは提案するまでの時間は長く、見積もりを見せてからのスピードは早いのです。
お客さんに決断してもらいやすい間を作る
売れる営業マンは1回の商談、立案・提案から始まりあらゆる提案候補を作りますが、実際提案するのは1つか2つです。
提案を増やせば増やすほど、お客さんはセルフで買い物しているのと変わりがなくなります。
営業マンはモノや商品を欲しいと思ってもらう前に、迷わせすぎないための存在だということを売れる営業マンは心得ているのです。
見積もりの遅い営業マンは話が長い
見積書を作って、見積もりを一から説明するとしても、営業マンはその内容を理解していれば完結に説明ができます。
つまり、売れる営業マンほど話が短くお客さんや顧客からの質問や不安・疑問に答えています。
まずは自分が提案している見積もりの優位性や差別化・アピールポイントを明確に理解することで『お客さんがなにを求めているか』との矛盾した話や提案を割愛していく作業をしていくと見積もりの作成スピードも商談ペースもテンポが良くなります。
見積もりを作るのが遅いと説明しておけば良い
『不慣れ』が悩みでも大丈夫
売れる営業マンが他の業種に行けば必ず不慣れなソフトで見積や設計書を作らないといけません。
必ず売れる営業マンでも『見積もりが遅い時期』はあるのです。
しかし、売れる営業マンほど見積書を作るスピード=結果に関わることを気づいているため、コツを探し反復練習します。
見積もりがどうしても『遅い』と思ったら
「間違えてはいけないと思うと緊張してしまうので、ゆっくりでもいいですか?」
と大胆に告白してみても良いと思います。
売れる営業マンほど、「まだまだ新人です」と入社5年目でも言っているそうです。
30代後半から40代であれば『老眼が・・・』と言って話をすると、「わかるよ〜」と急に距離が縮まることもあります。
営業マンは完璧を求めるより、『完璧を目指す姿勢と不完全さ』があるほうが魅力的で人に好まれるのはいうまでもありません。
そもそも、完璧な営業マンが欲しければAIや試算シュミレーターでお客さんが見積もりできてしまう時代です。
それでも営業という仕事がなくならないのは、お客さんが人間と人間とのつながりを求めているからです。