保険代理店の『コロナ』での廃業・倒産・破産が加速する理由

保険代理店の『コロナ』での廃業・倒産・破産が加速する理由

保険代理店の廃業・倒産・破産が加速する理由

コロナ禍で急速に業績修正に追い込まれている業種は、飲食店だけではありません。

金融商品を扱う『保険代理店』もコロナショックに影響を受けています。

どのような状況で保険代理店の廃業・倒産・破産が加速しているのでしょうか。

保険代理店の廃業・倒産・破産が加速する理由は『方向性』

急激な保険会社の方向転換に事業者も営業マンもついていけない問題です。

本来、保険代理店が扱う保険商品は『対面』が主流で、通販系・ダイレクト系は代理店ではなく保険会社が運営しています。

その中で、『お客様との深い関係』『話を聞かせてください』『契約までに最低3回はお会いします』などと代理店の営業指針・営業方針・募集ポリシーなどが掲げるところが多いです。

それがコロナの影響から一気に保険会社の方向転換が始まり、『保険会社』と『保険代理店』の方向性の統一が図れない状況になっています。

非対面式商談・面談・契約が生命保険でも可能に

アフラックなどの外資系生命保険会社はいち早く生命保険の保険商品を『非対面』で行うシステムを導入しました。

そのシステム導入費は保険会社が負担しており、システム利用料等は請求しない代わりに、『コロナだから契約が取れません』という言い訳を封じました。

保険会社の方向転換は、大型で資本や既に契約を持つ代理店では対応は可能ですが、小規模の個人代理店などは本来の紹介から契約までの大切な『会う』ことができないため、ノルマだけが積もっていく状況になっています。

損害保険の代理店は儲からないが廃業の増加は一定

損害保険の代理店は、コロナの影響は生命保険より意外と少ない傾向にあります。

理由としてはコロナでどれだけ自粛しても、火災保険や自動車保険は必要であり継続的に保険料ベースで手数料が振り込まれるためです。

そのため『新規契約を取り続けない』という追い込まれ方は生命保険の手数料支払い体系より緩いと言えます。

損保代理店は今後吸収合併し半分ほどに

火災保険と企業保険に強くない代理店は、大型代理店への吸収合併・提携を提案される風潮が強く、コロナの影響で一定数の契約を確保させないとプロ代理店を剥奪されてしまう代理店を保険会社は援護をします。

さらには損保はダイレクト型・通販型の直販がますます独占販売シェアを拡大させ、保険会社自体が代理店をしている直販部隊と合わせると代理店の存在が『人件費』を減らすことくらいしかなくなってしまうのです。

プロ代理店は生き残り、小規模は廃業・倒産・破産

プロ代理店という保険会社の高い水準をクリアした代理店は、エリアごとに強い影響力があります。

保険会社の営業社員は『プロ代理店』を育てたいと考えますし、保険代理店も手数料の支払いテーブルを上げたいと躍起になります。

逆に小規模代理店は、管理に社員の時間をプロ代理店とほぼ同じだけ割く必要があるため、吸収合併や提携・委託などを提案され立場も手数料も下降しか見えなくなります。

保険代理店の廃業・倒産・破産の決断時期

保険代理店を、廃業・倒産・破産しようかと悩む経営者の方もいると思います。

小規模で家賃が発生するビジネスモデルであれば、既にもう廃業しているかもしれません。

更には事務員や営業を雇っている場合、実働がほぼない状況で人件費だけが発生してしまうからです。

そのため、、廃業・倒産・破産の決断はいち早くしなければ負債だけが増えていってしまいます。

保険商談は『今』できるのか?

どんな状況でも営業マンは数字を追いかけ求められます。

しかしコロナ禍では実際「こんな大変なときに来てくれるな」とお怒りになり苦情が来る代理店もあります。

新規のお客さんをクロージングまでリモートで行うのは綺麗事を抜くとほぼ不可能だと言えます。

『今』、保険代理店を廃業・倒産・破産しない店とは?

やはり顧客数を抱えている保険代理店です。

専業か兼業かは問わず、一定の顧客数がいれば契約から数年経っていて乗り換え提案でペナルティが発生しない契約を保有しているためです。

そして、大きな代理店ほど保険会社は、、廃業・倒産・破産をさせたくないため、紹介案件や保険会社の社員や契約社員の自爆(自社商品の契約)を担当させます。

保険会社は、ノルマや足切り目標をどう考えるか

こんな状況下でも、保険代理店に対してのノルマを再開する保険会社はあります。

保険会社としても、経営難で急激で多くの解約事案に対処し、新契約で相殺したい気持ちは多くあるのでしょう。

しかし、保険会社の社員自体がほぼフルリモートワークの状況で、保険代理店の営業マンが外回りをするというのも不思議な絵です。

更には、数年前からの不正契約・コンプライアンス違反などで大損害と金融業界全体に影響を与えたことを考えると、『無理な契約をさせる状況に追い込む』こともしにくいと考えるのが普通です。

意外にも強いファイナンシャルプランナー

この厳しい状況で意外にも活躍しているのが、ファイナンシャルプランナー系の保険代理店です。

普通の保険代理店もファイナンシャルプランナーの資格保有者は多くいますが、『ファイナンシャルプランニング』を強みにしている代理店は落ちが少ない傾向にあります。

ファイナンシャルプランナー自体、商品の契約をせずとも相談だけで料金が支払われるサービスであり、尚且つ契約ではなく『支出を減らす』ニーズで相談が来るため、保険料ダウンは以外としやすいため契約切替もしやすいのです。

不動産系保険代理店は廃業・倒産・破産と無縁?

不動産系保険代理店は、本来自社の契約に付随する火災保険の契約が主になりますが、このコロナショックでローンの支払いができず、売却・ダウンサイズのニーズは高まっています。

単純にローンの借り換え以外にも、ローン完済済みであっても高額の固定資産税や維持ができないというニーズが増えているためです。

そのため、住み替え以外の提案で、生命保険の代理店を兼業している場合、契約の見直しで他社からの契約を取るというケースも発生しています。

保険業界の転職・スキルUPカテゴリの最新記事