保険代理店がなくなる時代が来る!?
今までの転職キャリア記事で保険代理店業や保険の営業についてお話してきました。
その中で、ついこの間「保険代理店がなくなる時が来ると思いますか?」という質問を保険代理店へ転職する方が質問をくれました
今回はこの質問を深掘りして『保険代理店がなくなる問題」についてお話していこうと思います。
持論!保険代理店はなくならない
保険代理店業はなくならないと私は考えます。
転職を勧めている方もこのブログを読んでいるから「保険代理店はなくならない」と言っているのではないか?
と思うかもしれませんがそうではありません。
保険代理店という商売がなくならない理由がちゃんとあります。
保険代理店業がなくならない理由
保険会社は保険商品の企画開発・売る仕組みを作るのが仕事です
保険代理店は既成された保険商品を売るのが仕事です。
この差はわずかだと思いますが、現場では大きな差になってきます。
損害保険会社の社員と保険代理店社員
損害保険会社の社員は新卒入社であれば、名門と言われる大学卒が入社するエリート企業が多いです。
しかし、実際保険会社へ営業セミナーに行くと『売るスキル』を持ち合わせている社員を見かけることはありません。
保険代理店の営業マンへサポートするため商談に同行・同席をする機会は多いようですが、『売るスキル』『売るトーク』は完全に保険代理店の方が平均が上だと感じさせられます。
保険という業界の住み分け
保険代理店の営業マンは売るのは専門でありエキスパートと呼ぶにふさわしい方がたくさんいます。
一方保険会社は、『提案の方法』を営業するのは非常に上手です。
この『売る』と『提案』の差が大きく、保険会社の社員が今の保険代理店の営業力をカバーできるかというと100%無理だと言えます。
生命保険会社の社員と代理店社員
生命保険会社の社員は個人や法人のお客さん(=保険を契約する方)と直接商談するため、営業力が高い会社だと言えます。
しかし、生命保険会社の社員は他社の商品や損害保険への比較提案力が落ち込む傾向があります。
保険代理店の場合、ほとんどが損害保険と生命保険の代理店業を兼業しており、規模の大きい代理店では複数の保険会社と乗合をしているため、あらゆる角度であらゆる保険会社の商品を提案することができます。
保険代理店はなくならないが、損保は激減する
保険代理店の吸収合併・廃業が増える見込みは損害保険の代理店の方が強く、生命保険の方がこの『なくなる』リスクは少ないと言えます。
生命保険は複数の契約ができますし、生きている限り必要性を感じることが増えていく商品が多いです。
少子高齢化の時代だからこそ相続問題は増えます。
一方、ひと昔前の損害保険業界は、『若者はクルマに憧れ、戸建てを持つ』思考から、クルマ離れ、高齢者の運転事故・自動車事故防止による損害率の低下。
さらには火災保険ではマンションや生涯賃貸派という所得の高い方も増え、長期契約は35年から10年になったこと。
生命保険との最大の差は、重複して保険に加入できない商品ということです。
1台の自動車に対して10個の保険商品に加入しても10個の保険商品から保険金が支払われることはありません。
しかし、生命保険は医療保険でも限度額まではいくつでも保険契約をすることができます。
それだけでも、ニーズや提案先の数は大きく変わってきます。
つまり、損害保険代理店だけを専業でしている代理店は厳しい時代になっていると言えます。
保険会社が保険代理店を経営?
近年、保険業界はコンプライアンス問題に揺れていますが、保険会社のOB退職者が保険代理店業を始めています。
会社の役員は退職先である保険会社から構成されており、保険会社との関係性も密です。
この話だけ聞くと利益相反になりそうですが、小会社という位置づけではないので問題はないのでしょう。
しかし、当然OB社員の代理店は何かと商売がしやすそうなのはいうまでもなく、保険会社で直接契約できない案件などのパスは今後このような企業に集中していきそうです。
強いものだけが残る代理店業
保険代理店業というのはなくなりませんが、『なくならない』保険代理店には条件があると言えます。
- 兼業・複数事業の保険代理店
- 大型代理店
- 全国展開の来店型保険代理店
- 『元社員』経営の保険代理店
- 生命保険に強い保険代理店
数字の順になくなりにくいと私は考えています。
抱えている客数・顧客数と対応できる客数のキャパと、維持運営できる資金力があれば生き残れます。
元社員の代理店のジャッジは難しいですが『安定か』ではなく『なくならない』で言えば、近隣エリアでOBが2つ保険代理店を開業した場合、確実に一つの大きな保険代理店を保険会社は作りたがるため、『なくなる』リスクはあると言えます。
それに加え、大型代理店は販売促進の自由度も高いため知名度勝負で言えば『元社員』であっても負けてしまうと考えます。
損保社員のキャリアが心配?
独立を考えるのであれば、いち早く『損害保険だけ』という環境からは抜け出したいところです。
しかし他の記事でもお話した通り、保険会社に入社して定年まで生き残れば小会社などへの出向なども合わせて食いっぱぐれはしません。
この安定感は非常に魅力的です。
独立を考える損保社員はどうするか
保険商品を売る仕組みから『売るスキル』に早く変換し、営業スキルを身につけることだと言えます。
そして早い段階で、生保営業や金融知識を高め保険代理店に丁稚することをおすすめします。
この丁稚期間がなければ、業務フローでタイムロスし、『営業ノウハウ』が足りず足切りされてしまう可能性があるからです。
保険代理店がなくなる時代は来ない
保険代理店を街で目にすることがなくなる時代は、私たちが生きている限りはないと言えます。
本編では登場しなかった通販型保険(=ダイレクト型)と呼ばれる保険会社や保険商品も登場していますが、少子高齢化の波に逆らっている部分があり、私は保険料勝負で負けても代理店の存続を危ぶむところまでいかないと考えています。
仮にも自分たちが60歳70歳になり、免許を返納したり自宅をダウンサイジングする際、パソコンで試算して契約するのは不安を感じると思います。
人は人と話して安心するものです。
縮小されても保険を、機械(AI)契約だけになる時代もなければ、保険会社の直販だけが生き残るとも言えないでしょう。
むしろ、高齢者の方にもわかりやすく親切な代理店は、これから先もなくならないと言えます。
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保険営業マン向けノウハウ本
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WEBライターの紹介: Yoshi
1981年生まれAB型
アパレルメーカー勤務後、人材開発・トレーニングを担当。
人事業務に携わり、中途採用・キャリア採用を主に担当。
その後独立、国内企業のCSR調査事業を某大手コンサルティング会社のサポーターとして参加し、その後就活セミナーやベンチャービジネスのゲスト講師として講演活動をスタート。
大阪の大学でベンチャービジネスなどの講義を担当し、執筆業を開始。
共同出版にて出稿、大学内の広報誌で2期出稿。
現在は、WEBライターの他に、転職やキャリア形成のアドバイザーとして活動中。
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