会社や取引先で『言った言わない』で揉めない方法
この世の中では『証拠のないことは全て悪』です。
だから、言う側というのは非常に立場が弱いということを前提に仕事をしなければなりません。
『聞いた聞いてない』というお客さんとのやりとり、『言った言っていない』という口喧嘩も全ての発端は自分にあると思わんければなりません。
訴訟にまでなりかけた私の営業マン時代の経験を踏まえて、紹介していきます。
『言った言わない』でのトラブルは実際言ったかどうかは関係ない
営業マンだけでなく人生で生きていると聞いていない、言っていないことでトラブルになったり、トラブルに巻き込まれることがあります。
そのトラブルが発生した時点の解決方法を紹介するよりも、『言った言わない』のトラブルにまずならないようにするのは言う側の責任です。
営業マン時代に経験した苦い経験
私は20代から長く保険営業の経験を積み、「聞いていない」という指摘を受けたことは何度もありました。
正直、今でも反省しています。
内容は
「他社の保険会社提案であまりにも無駄な商品で高額だ」
「弊社に乗り替えろ」と言われたと憤慨しているという申し出でした。
それで『言った・言わない』というトラブルになり、相手は訴えると代理店協会を経由して苦情を入れてきたのです。
後でわかったは他社の営業マンが取引先の担当者を接待し、苦情を入れるように指示されたことでした。
その際も初動では「100%過失」があると協会から言われましたが、「私は本当にそんなこと言いましたか?」と聞くと「従兄弟がその取引先の部下で頼まれたから仕方なかった」と事情を話してくれました。
そんなヒヤヒヤな経験をすると『言った・言わない』のトラブルは聞いていない方が悪いとは言えなくなるのです。
『言った・言わない』トラブルは過失ではなく『損』にある
『言った・言わない』のトラブルが起こるのは損を『聞いている側』が被る時のみです。
例えば、敷金礼金で100万円払っていた時、100万円満額で返ってきた時『なぜ?聞いていない』となるより『ラッキー』となります。
しかし、半分は返ってくるはずだった入居時の初期費用が1円も返ってこなかったら「聞いていない」となるのです。
つまり、『言った・言わない』は損さえさせなければ100%起こらないトラブルなのです。
『言った・言わない』のトラブルにならない『できる営業マン』
売れている営業マンやできる営業マンは非常に多忙です。
私自身も胸を張るほどではないですが、忙しい営業マン生活をしていました。
その中で「2年前に契約した時言ってなかったよね?」と言われても覚えていないというのが本音なのです。
保険業界ではそのような事案が多いから『意向確認シート』などにお客さん自体がチャックし捺印するという制度を作っています。
営業部でこのような制度がない場合は、自分自身でお客さんにとって損することの了解を確認する書類を1枚フォーマットで作るようにしましょう。
この紙はPDFで保管しても良いですし、元本をファイリングしてもいいでしょう。
*会社の個人情報管理マニュアルに沿って対応しましょう。
営業マンは圧倒的に弱い
営業マンというのは立場が非常に弱いです。
『言った・言わない』の場合100%営業マンに過失が認められます。
聞いていても聞いていないと言われた場合も同じく『言った・言わない』の喧嘩には負けます。
でも、ここでしっかり理解しておかないといけないのは、どんな営業マンでも『言った・言わない』というトラブルは起こり経験しています。
お客さん側は「とりあえずゴネてみた」ということも営業マンにとっては大きなダメージになります。
しかし、何にダメージがあるかというと実際『聞いていて聞いていない』というお客さんの信用は失っていないのです。
失うのは営業マンの社内での信用です。
「上顧客は任せられない」
などという実質的なペナルティが与えられるのです。
つまり、『言った・言わない』のトラブルでは確実に社内での信用を落とさないための対応を営業マンはしなければなりません。
事務員と営業マンで度々起きる『言った・言わない』
事務員と営業マンの間で『言った・言わない』『聞いた・聞いていない』というのは、朝から晩まで365日言い争っています。
特に事務員との間では『渡した・渡していない』という書類のやりとりも多いです。
保険業界に入る前に、輸入種ディーラーでお客さんの重要な登録申請書を事務員が紛失し、再度取付に行くということがありました。
私は心配性なので提出済みの書類・未提出・預かっている書類は全て表で管理していました。
そのため、社内でも私が書類を無くすということは『あり得ないだろう』と言われましたが、「受け取っていない」と言われるのは心外ですし、無くしていないものを自分の机で探すという無駄な労力を割きたくないものです。
私は、事務員に自分で買ってきたスタンプを渡し、受け取った時には管理表にスタンプを押してもうことにしました。
それを真似する営業マンが増え、営業部の制度となったことがありました。