自動車メーカー・ディーラー、ミステリーショッパーと覆面調査員のまとめ

自動車メーカー・ディーラー、ミステリーショッパーと覆面調査員のまとめ
目次

国産自動車メーカーのディーラー、覆面調査

約7年ほど前からCS(顧客満足度)を外注して覆面調査・ミステリーショッパーを雇うケースが増えてきました。

特に輸入車ディーラーはその先駆けで、レクサスの『おもてなし』に対抗するためのツールともなりました。

近年のミステリーショッパー・覆面調査のメリット・デメリット

近年の自動車ディーラーでは、売上規模の大きいディーラーは月に1回各支店・支社のショールームに来店し、頻度や傾向を現場が勉強している傾向があります。

外注したミステリーショッパーや覆面調査員

クラウドサービスでの募集か、コンサルティング会社からの派遣が大きくあり、費用や頻度で言えば、クラウドサービスから調査会社が複数人を集め、派遣する仕組みになっており、コンサルティング会社の調査よりも調査するレベルにバラつきが見られることが問題視されています。

なぜミステリーショッパーや覆面調査員のレベルがバラバラなのか

ミステリーショッパーや覆面調査員は全くメーカーやクルマに興味のない人が採用されるケースも多く、『欲しくもないものを見にいく』場合が大半です。

その他のケースで言えば、その調査先で購入が決まった場合はさらに報奨金が調査会社から支払われる場合もあります。

つまり買う前提が買いに行っている場合、そのディーラーとの付き合いもあり素性がバレるとアフターサービス等に不安を感じプラス点を付けやすいという心理になります。

さらにコンサルティング会社の調査員はそもそもトイレのチェックなどがタスク化し、『買う気もなければ、選ぶ気もない商談』が見えてくるのです。

営業所や営業マンのミステリーショッパーや覆面調査員対策

ほとんどの場合は支店支社のショールームの管理職が、他店にミステリーショッパーや覆面調査員らしき人が来たかを情報シェアしています。

そのため『そろそろ来る』というタイミングでショールーム担当の営業マンを新人からベテランとの2名体制にするなど対策が取られます。

そして来店する日にちも大体の目星がついてしまうので、複数回同一のミステリーショッパーや覆面調査員の派遣ができないのも継続調査が行き詰まるポイントとなります。

【特徴】ミステリーショッパーや覆面調査員は土日祝日・繁忙期は来ない

ミステリーショッパーや覆面調査員の派遣はあくまでも、ディーラーの経営者やメーカー側から雇われているため、『注文』をつけることができます。

多くの場合が土日祝日・決算期の月末を外す注文を受けやすいです。

特にトラフィック(来客数)の多い店舗では、営業マンの頭数が足らないためミステリーショッパーや覆面調査員へ人材を充てたくないためです。

輸入車ディーラーでは、繁忙期の土日に調査が入り管理職であるマネージャーや店長などがメーカー側にディーラーとして苦情を入れたケースもあります。

ミステリーショッパーや覆面調査員で既にバレている調査項目

手数料の安いミステリーショッパーや覆面調査員は調査も雑なため『こんなことを聞かれた』ということも営業所内でシェア・共有されます。

項目はレポート結果も後日渡されるので、100点を取る商談対策をします。

『カタログやパンフレットのラインナップは揃っているか』という調査があり、カタログやパンフレットに支店名やディーラー名が印字・押印されているか確認するため、複数のパンフレットを求める傾向にあります。

実際、調査で忘れがちなトイレチェックも早めに済ませておこうと、来て早々にトイレに案内する場合も、トイレに入っている間に「ショッパーっぽい」とインカムで共有する店舗が見受けられました。

ミステリーショッパーや覆面調査員で本当に現場の質を上げるには?

ミステリーショッパーや覆面調査員は複数社と契約し、自動車業界に特化したミステリーショッパーや覆面調査員と契約することをお勧めします。

私もミステリーショッパーや覆面調査業務を行いますが、あらかじめ完璧にスペックなどを覚え2ヶ月間調査を店外から行い、カタログなどで商品スペックも覚えて調査に入ります。

ミステリーショッパーや覆面調査員はクルマを知らない

ミステリーショッパーや覆面調査員はほとんどの場合がクルマに興味がなく、ディーラー自体に初めて来たという人も少なくありません。

そのため、どんなクルマを探しているか、という質問で営業マンは違和感を感じます。

基本的には車種やグレードは覚えていなくとも、どこかで見たSUV、インターネットでシュミレーションしたモデルの答え合わせや相違がないかを確認しに来ていることが多いのです。

そのため値引きや納期など『本当のお客さん』なら聞くことを聞いてこないため新人でも違和感を感じてしまうのです。

サイズスペックやエンジンの大きさを知らないと営業マンの正確性がわからない

前述通り、ミステリーショッパーや覆面調査員のほとんどが自動車への知識が少なく、質問してその回答が正しいかどうかが曖昧なこともあります。

「このクルマは高さどれくらい?」

と聞いて1460mmです、と答えても実はこの展示車や試乗車はグレードが異なり高さが1440mmでも気づけないのです。

つまり、「1メートル40くらいです」「140cm前後です」と答えると損してしまうことになります。

ミステリーショッパーや覆面調査員の導入で売上は伸びない

ここで一つ目線の変わる話題としてミステリーショッパーや覆面調査員でCS向上や売上は実際伸びるのか。

という問題に対して言えば、現在実際に調査に入った中で言えば間接的に売上は伸びているという判断となっています。

しかしミステリーショッパーや覆面調査員が入ったことが大きな理由となっているとは言い切れないのが現状です。

ミステリーショッパーや覆面調査員による営業スキルの調査などは、あくまでも『売り込み文句』を作るきっかけであり、『最低限の現場の引き締め』に収まっていると言えます。

ミステリーショッパーや覆面調査員の調査で売上を伸ばさない理由

ここでも注目されるのは、委託・外注するのはあくまでもディーラーやメーカー側であり、商品やコンセプト、自社の優位性を伝えられているかという部分に注目する調査内容が多いということです。

つまり、調査で100点を取る営業は、お客さん主体ではなく自社のイメージ主体の調査内容になってしまいがちなのです。

お客さんや顧客へのアフターフォローを実際後追いするのは、長くても1ヶ月です。

しかし、営業マンや営業所とすれば『刈り取れる客』かどうかの判断に迫られるタイミングでもあります。

買わないお客さんを匂わしながらの調査と、ホット案件(7日以内の契約)でお客さんへのフォロー内容も変わるのは現場の意見です。

営業マンはミステリーショッパーや覆面調査員とどう付き合えばいいのか

今現在、常に新規客への満足度を90点以上取れるメーカーは、残念ながらレクサスくらいしかありません。

その代わり、感動経験なずば抜けた提案には弱くなるのも事実です。

売れる営業マンはミステリーショッパーや覆面調査員で何点を取るのか

売れている営業マンはミステリーショッパーや覆面調査員の結果100点の合格ラインを出すのか、という現場の意見もありました。

残念ながら、トップセールスとミステリーショッパーや覆面調査員での調査結果は比例しないのも事実でした。

トップセールスはなぜミステリーショッパーや覆面調査員に満足を得られないのか

ミステリーショッパーや覆面調査員はあくまでも購入見込みや、潜在的なクルマへの興味がない場合が多いため、提案を打ち切り不必要な後追いをしないのも確かです。

つまりミステリーショッパーや覆面調査員として来店した人としては、なんとも疲れず印象も悪くしない接客と提案をするのです。

クルマに興味のない人へブランドアイデンティティ(BI)を語るべきか

「日本で一番売れているクルマです」という売り文句を伝えたい企業、安心安全評価など企業や経営者側が伝えたいことを新規のミステリーショッパーや覆面調査員に話すには無理に話を聞いてもらうことになるのです。

売れている営業マンはどこにマイナス点がつくのか

売れている営業マンがミステリーショッパーや覆面調査員から酷評やマイナス点を付けられるのは、多くの場合『提案』と『調査該当項目』です。

提案というのは、様々なニーズで乗りたいクルマや欲しいクルマを提案し、多くの車種で素晴らしさを実感してもらうことがバックボーンになっています。

しかし、欲しいクルマやニーズ、購入費用の目処なども立っていないお客さんに3台以上のクルマのスペックや試乗をしてもらっても疲労しかないのです。

それであれば、営業マンがそのお客様へ最高んも1台を提案し、他のメーカーへいくことを促すのです。

メーカー側からすれば、他のショールームに行かせたくないためお客さんへ『根負けさせる』営業スタイルを営業マンに求めてしまうのです。

調査該当項目でミステリーショッパーや覆面調査員にマイナスを付けられる理由

ミステリーショッパーや覆面調査員が調査該当項目でマイナス点を付けられる部分は、企業やメーカー側が『ちゃんと伝えて欲しい』という点に偏る傾向があります。

試乗キャンペーンを伝えたのか、成約記念品があること、クレジットカードや任意保険の提案があったか。そのような項目にマイナス点がつきがちです。

しかし、営業マンからすればミステリーショッパーや覆面調査員が子供連れで子供がグズっている場合、長居させるより『後日追い』するほうがいいと判断することもあります。

さらにまだ購入は先です、という設定のミステリーショッパーや覆面調査員に、今週契約すればコーティングをプレゼントします。と伝えてもお客さんも『押し売り』を感じるでしょう。

任意保険や自社クレジット・ローンの提案もクロージングまでいかないと話せないことがあるので調査該当項目はコンサルタントと綿密な打ち合わせが必要だと言えます。

ミステリーショッパーや覆面調査員の評価が高い営業マンとは

この指標も顕著なのが、『新人営業マン』です。

売った実績も少なく、顧客数も少ない営業マンほどミステリーショッパーや覆面調査員の調査結果がいいのです。

さらに、年間販売台数とミステリーショッパーや覆面調査員のレポート結果は反比例し、そのため販売台数が少ない営業マンはレポート結果が良いという結果になりました。

売れるトーク・接客とCSの区切りが判断できない

この結果から言えることは、雛形で作られたレポートの流用よりも、オリジナルでの調査内容を営業マンと作り上げるべきだと言えます。

トップダウンのミステリーショッパーや覆面調査は、注意が必要です。

ミステリーショッパーや覆面調査員にクルマを買わせる営業マン

これは驚いたのですが、全国で買わずに調査のみを行うミステリーショッパーや覆面調査員で、実際営業マンからクルマを半年後に購入したという話が上がってきました。

調査した際、そのレポート内容は100点でもなく平均点より下のポイントでした。

複数のメーカー、ディーラーを担当し調査終了後に、クルマの調子が悪くなり誰に聞けば良いのかわからず、夜中電話したのがその営業マンだったそうです。

つまり、ミステリーショッパーや覆面調査では100点をつけることはできないが、ミステリーショッパーや覆面調査員の心や記憶にはしっかり残り、調査項目にはできないことが人の安心や決め手になるのも事実です。

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WEBライターの紹介: Yoshi

1981年生まれAB型

アパレルメーカー勤務後、人材開発・トレーニングを担当。

人事業務に携わり、中途採用・キャリア採用を主に担当。

その後独立、国内企業のCSR調査事業を某大手コンサルティング会社のサポーターとして参加し、その後就活セミナーやベンチャービジネスのゲスト講師として講演活動をスタート。

大阪の大学でベンチャービジネスなどの講義を担当し、執筆業を開始。

共同出版にて出稿、大学内の広報誌で2期出稿。

現在は、WEBライターの他に、転職やキャリア形成のアドバイザーとして活動中。

➡︎Yoshiの収入やお金事情はこちらの記事にあります

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